本園が取り組む完全給食移行への趣旨・目的、それから実践している食育の取り組み、農林水産省作成の「我が国の食生活の現状と食育の推進について」を写真をまじえて簡単にまとめました。 また、最後に献立例を掲載しています。カロリー計算やメニューの内容など、実際にどんな食事が提供されるのか仔細にごらんになれます。 尚、すみれ幼稚園での地道な食育活動が評価され、 『平成20年佐賀県食育賞』を受賞いたしました!
1.完全給食移行への趣旨
本年の17年度までの給食は、「パンと牛乳」や「業者弁当」という形であり、給食とは名ばかりのもので、栄養の面からも食のバランスの面からも問題がありました。小学校入学前の幼児期から「栄養・運動・休養」のバランスが崩れ、高脂血症や糖尿病の予備軍がいるという現実も報告されています。 そこで、平成17年7月「食育基本法」が施工されたのを機に、平成18年度から自園の調理室で完全給食を提供するとともに、「食育」を園の活動の大きな柱として取り組むことにしたものです。 これは、ただ単に食べるということではなく、「食育」を通して子どもの”心を育て””心をつなぐ”働きとして捉え、生涯にわたって生き生きと生活できる子どもの育成を目指すものです。
給食献立の話し合い
2.本園が目指す完全給食
- 献立は本園専属の栄養士による作成で、カロリーは無論のこと食のバランスや栄養に配慮するとともに、園職員や保護者の要望も取り入れて行う。
- 動物性脂肪や糖分の過剰摂取を抑え、家庭の食事で不足している繊維食物や噛力の必要な食物等健康に配慮した献立を目指す。
- 自園方式による給食なので、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、美味しく食事が提供できる。また、同じものを食するということで、楽しく食事をするとともに偏食等の矯正も無理なくできる。
- 野菜を育てその命をいただくという体験等を通し、食への感謝の心を育てるとともに、食に携わる身近な人たちへ感謝の心をつなぐことができる。
- 「早寝早起き朝ごはん」のスローガンのとおり、「食育」は基本的生活習慣との関わりが深く、生活スタイルそのものとして捉えたい。
- 「食育」の成果は幼稚園だけでは上がらない。食事のマナー・偏食・生活習慣等いろいろな場で家庭と連携しながら進める
すみれ幼稚園の食育の取り組み ”食育を通して子どもの体と心を育てます”
「健全な肉体に健全な精神が宿る」
もはや使い古されたことばではありますが、真剣に考えられ実践される機会はなかなか無いのではないでしょうか?健康な身体をつくりあげるために、「食」が大切であることは言うまでもありませんが反面、社会の移り変わりや様々な要因によっておろそかにされつつある「食」。もう一度真剣に考えてみるべきではないでしょうか?
すみれ幼稚園で実践する食育とは、ただ単に給食によるバランスのとれた栄養摂取、ということにとどまらず、幼稚園での活動すべてが食育へつながるものなのだ、ということです。家庭菜園や果樹園での野菜、果物の世話や収穫。その自分たちで収穫したものを調理して食べることの楽しさ。作物を植え、世話して収穫し、加工して食卓に乗るまでの過程を知る事で、いろんな人の手を介して作られているということ、食べ物を祖末にしてはいけないという事を身を以て学ぶのです。
また、農林水産省の統計データにも出ている通り、肉などの油脂成分の食事における摂取量が増加傾向にあります。糖尿病などの成人病の予備軍も増加の一途をたどっている現状にあります。幼児期に定着すると言われる味覚において大切なのは薄味の味覚の定着、日本の食文化の味を味わっておくという事です。
栄養士による栄養価やバランスに留意した給食をはじめとした、様々な活動を盛り込んだすみれ幼稚園の食育の成果は一生にわたってあらわれてくるものであると本園は考えるものであります。
1.食物を作り育てる体験活動」
- 野菜を育てる→収穫を喜ぶ、命の尊さを知る、調理する、食する
- 果樹園体験→果樹園に関わった人や自然に感謝する→感謝して食する
- 自然物を収集→自然の恵みに感謝→感謝して食する
自分たちで育てた野菜には特別な思いがあります。自分達で育て、収穫した野菜も給食に活用していきたいと考えています。
2.給食で育つもの
- 栄養価と栄養バランスに配慮した献立で健康な体を作る
- 食事の楽しさ大切さを知り望ましい食生活習慣が身につく
- 命の尊さを実感し、感謝の心を知る
- 心身によい食べ物を上手に選択できる力がつく
- 作り手の気持ちを知り、食を通じて心をつなぐことができる
自分たちで育てた野菜には特別な思いがあります。自分達で育て、収穫した野菜も給食に活用していきたいと考えています。
3.食に関して幼児期に育つもの
- 楽しい食事体験
- 正しい食事のマナー
- 薄味の味覚の定着
- 日本の食文化のよさを知る
- 食物の命を知り、食物に対する感謝や大切さを知る
4.自園方式による完全給食のよさ
- 栄養士による栄養価やバランスに留意した本園独自の献立である
- 給食献立委員会の反省を活かしよりよい献立を考える
- 生鮮食品、産地表示の食材を使い、添加物や人工着色料の含まれていないものを極力選択する
- 冷たいものは冷たく、温かいものは温かく提供する
- 食物アレルギーへの対応も個々に応じて行う
- 個人差に応じお代わりのできる給食である
- 年齢に応じた食器(年長は強化磁器、低学年は軽い食器)を使用する
- 同じ献立なので楽しく美味しく頂くことができる
- 食への関心が高まりいろいろな食材を食べることができるようになる
- 栄養士や調理員との触れ合いの中で感謝して食べる心が生まれる